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医療DXとは【第5回/全5回】

全5回の内、第5回でタイトルは「医療DXとは」であることを示している。

 

全5回に分けて「DX」をテーマとした記事を公開していきます。

最終第5回となる今回は「医療分野におけるDXとはどのようなことが行われているのか知りたい」という方に向けた記事となっています。

前回の記事は以下よりご覧ください。

>第4回『デジタル人材とは』の記事を読む

 

医療DXとは、医療分野においてデジタル技術を活用し、医療の質や効率を向上させることを指します。

近年、新型コロナウイルスの感染拡大や、人口の高齢化や医療費の増大という背景から、医療現場のデジタル化がますます求められるようになっています。

本記事では、医療DXの目的、目的達成のための取り組み、医療DXの抱える課題について詳しく解説していきます。

医療DXの目的

医療DXの大きな目的は、デジタル技術の活用によって、医療の質や効率を向上させることにあります。

具体的には、以下の3つです。

1. 医療現場の業務フロー改善

2.医療の質の向上

3.医療のアクセシビリティの向上

1.医療現場の業務フロー改善

業務をデジタル化することによって、医療現場の業務プロセスを効率化し、医療従事者の負担を軽減することができます。

たとえば、診療記録や処方箋などの電子化が挙げられます。

電子化し、データとして扱えるようにすることで、情報の共有や閲覧が容易になり、時間や手間を省くことができます。

2.医療の質の向上

デジタル技術を活用することで、医療の質を向上させることができます。

たとえば、AIを用いた診断支援システムや画像診断の自動化が挙げられます。

診断支援システムや画像診断の導入をすることによって、医師の診断精度を高めることができます。

また、デジタル技術は患者の健康管理にも活用され、データの収集・解析によって、病気の早期発見や治療効果の評価をすることができるようになります。

3.医療のアクセシビリティの向上

医療DXによって、医療のアクセシビリティが向上します。

たとえば、遠隔診療やオンライン診療の発達によって、地理的な制約や移動の負担が軽減されることで、医療サービスをより多くの人々に提供することができます。

医療DXの取り組み

医療DXに取り組む企業や研究機関は、以下の4つに代表される取り組みを行っています。

1.医療データの活用

2.センサー技術の活用

3.VR・AR技術の活用

4.遠隔診療やオンライン診療の推進

1.医療データの活用

医療データを収集・解析し、診断支援や治療の最適化、薬剤の開発などに活用する取り組みが行われています。

たとえば、医療データを活用した人工知能による診断支援システムが開発されています。

また、医療データの共有プラットフォームの構築によって、医療情報の共有化や患者の情報の取得が容易になります。

参考サイト:AI問診ユビー

2.センサー技術の活用

医療DXにおいては、センサー技術が重要な役割を担っています。

たとえば、ウェアラブルデバイス(身に着けて使用する機器)やモニター装置を用いることで、患者の健康状態をリアルタイムでモニタリングすることが可能になります。

また、センサー技術を利用した自己管理プログラムや健康管理アプリの開発も行われています。

参考サイト:SelfBase

3.VR・AR技術の活用

VR(Virtual Reality)・AR(Augmented Reality)技術を活用することで、診断や治療、リハビリテーションなどがより効果的に行えるようになります。

たとえば、VRを用いて様々な手術のトレーニングを行うシステムやARを用いた手術支援システムなどが開発されています。

参考サイト:名古屋大学メディカルxRセンター『VR Simulator』

4.遠隔診療やオンライン診療技術の推進

医療DXに取り組むことで、遠隔診療やオンライン診療が発達し、医療のアクセシビリティが向上します。

テレヘルスやテレモニタリングの推進によって、医療サービスにおける地理的な制約や移動の負担を軽減し、医療サービスをより多くの人々に提供することができます。

参考サイト:Remote Doctor (リモートドクター)

医療DXの課題

医療DXには、以下の4つの課題があります。

1.プライバシーやセキュリティの問題

2.人間性の問題

3.医療従事者のIT教育やトレーニングの必要性

4.医療DXの普及度の問題

1.プライバシーやセキュリティの問題

医療データには患者の個人情報なども含まれているため、取り扱いの際には常にプライバシーやセキュリティの問題がつきまといます。

たとえば、取り扱いを誤ると医療データの漏洩や改ざんが起こる可能性があります。

2.人間性の問題

医療DXによって、人間性の重要性が低下する恐れがあります。

たとえば、AIによる診断支援システムや自動化された診断の導入によって、医師の人間性が失われることが懸念されます。

3.医療従事者のIT教育やトレーニングの必要性

医療DXを実現するためには、医療従事者のIT教育や機器を利用するためのトレーニングが必要です。

特に、新しい技術やシステムを導入するためには、医療従事者がその使い方を熟知している必要があります。

そのため、医療従事者自身がDXについての理解を深め、積極的に学習に取り組む姿勢が求められます。

4.医療DXの普及の度合いの問題

医療DXは、先進的な技術やシステムを用いた医療サービスですが、その導入や普及の度合いは、地域や病院によってまちまちです。

医療DXを全国的に普及させるためには、社会的な支援や必要性を訴える啓蒙活動が必要です。

まとめ

医療DXは、医療の質を向上させることができる先進的な技術やシステムです。

医療DXを実現することで、医療従事者や患者の負担が軽減され、医療サービスのアクセシビリティが向上することが期待されます。

しかし、プライバシーやセキュリティの問題、人間性の問題、医療従事者のIT教育や機器を利用するためのトレーニングの必要性、医療DXの普及の度合いの問題など、課題も数多く存在します。

そのため、これらの課題に対して対策を進めていく必要があります。

今後も、医療DXの発展に向けた研究や開発が進められ、医療の進化に貢献していくことが期待されます。

 

>第1回『DX(デジタルトランスフォーメーション)とは』の記事を読む

>第2回『DX化を実現する為に求められる人材とは』の記事を読む

>第3回『DX化するとは』の記事を読む

>第4回『デジタル人材とは』の記事を読む