「データの見える化」にBIツールを使うメリットと導入前の注意点【実践編part1】
こんにちは。スマート社員の”アジサイ”です!
昨今、「データの見える化」が注目を浴びています。そこで、今回は「データの見える化」の際にBIツールを使用するメリットと、集計に合った見やすいグラフの種類、導入前の注意点についてご説明いたします。
情報があふれる現代において、消費者のニーズは目まぐるしく変わっています。これまで上手く回っていた経営も環境の変化によっては立ち行かなくなることもあるでしょう。
環境の変化をいち早く察知するために、情報の活用の第一歩である「データの見える化」を行うための方法をお伝えします。
目次 ➖
BIツールとは
そもそもBIとは「Business Inteligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略です。
ビジネスに関するインテリジェンス。つまり、事業上の意思決定の際に必要な情報を意味します。
事業上で必要な情報とは、端的に言ってしまうと売上傾向や営業情報などです。しかし、売上傾向などの情報を得るためには膨大な量のデータを処理しなくてはなりません。それだけではなく傾向を分析するために専門の知識が必要な場合があります。
膨大なデータの処理、傾向の分析の手助けを行うのがBIツールです。
BIツールの基本知識についてより詳しく説明しているブログがございますので、あわせてそちらもご覧ください。
必要な情報をまとめても、見る人が判断できる状態にしなくては効果的に使えません。情報をまとめ、誰が見ても一目でデータの意味するものが分かるようにすることが必要になってきます。これが、「データの見える化」です。
では、データの見える化とは具体的に何を行うのでしょうか。
あわせて読みたい:【保存版】経営情報を可視化できるBIツールをわかりやすく解説!基本知識と導入成功への3つのポイント
データの見える化とは
引用元:民間給与実態統計調査 / 民間給与実態統計 / 結果表 第7表 企業規模別及び給与階級別の給与所得者数・給与額(Excel)
「データの見える化」とは、データをグラフなどの「視覚的に分かりやすい表現」に変えることです。
文字や数値の羅列では、専門家でない限り表のどこを重点的に見ればいいのか、どう比較すればいいのか分かりません。しかしながら、グラフに変換すれば一目で分かるようになります。
データをグラフにする作業は企業であれば営業や総務、情報システムの方が行っているかと思います。しかしながら、データが更新されるたびに抽出し、グラフにする作業は他の業務と並行して行うにはとても大変です。
BIツールにはそれらの負担を軽減する機能や見える化に特化した機能が備わっています。
BIツールの機能
製品によって変わりますが、BIツールには基本的に
1.レポート作成
2.OLAP分析
3.データマイニング
の3つの機能が備わっています。
1.レポート作成
データの可視化とも呼びます。対象のデータを自動でグラフに変換し、ダッシュボードに結果が表示されます。
データが更新されるたびにグラフも更新されるので一回一回グラフを作成する手間が省け、常に最新のデータのグラフを見ることができます。
また、マウス操作で簡単に集計表やグラフを出力できるので資料の作成に時間を取られなくなるのも利点の一つです。
2.OLAP分析(Online Analytics Processing)
データの断面をみるスライシング、データを違う視点からみるダイシング、データを深堀するドリルアクションなど、様々な視点からデータを分析することができます。
3.データマイニング
バスケット分析やクラスター分析、回帰分析などの複雑な統計分析を行うことができます。
これらは物事に対する傾向や要因を調べる際に用いる手法ですが、分析するためには専門的な知識が必要です。しかし、BIツールを使えば誰でも行うことができます。
データ別各グラフの使用例
分析したいデータによって見やすいグラフは異なります。
代表的なグラフとして、
1.棒グラフ
2.折れ線グラフ
3.円グラフ
4.積み上げ棒グラフ
の4つが挙げられます。
これらには、それぞれ特徴があるので、状況に適したグラフを使用すれば、情報共有がより容易なものとなります。
1.棒グラフ
データを比較する際に適したグラフです。
製品別の売上や製品別の受注数量などを比較する際によく使われます。
作成が容易で、各データとの比較が行いやすいことから、グラフ化する際の候補として、まず初めに挙げられるでしょう。
2.折れ線グラフ
時系列でデータの推移を見る際に適したグラフです。
月毎の売上や月毎の生産数などを比較する際によく使われます。
一つのデータの増減に対して、他のデータの変化を見る際などは折れ線グラフが便利です。
3.円グラフ
データに関する割合を見る際に適したグラフです。
売上に対しての構成比やアンケート結果の割合などを分析する際によく使われます。
物事に対しての各要素の割合を表現する際に便利です。
4.積み上げ棒グラフ
データの比較と内訳を同時に見る際に適したグラフです。
事業所別での売上とその内訳などを見る際によく使われます。
1つの棒に複数の情報を入れることができるため、より細かく分析することができます。
BIツール導入前の注意点
BIツールを導入しただけではデータの見える化はできません。
当然ですが、グラフの作成やデータ分析の元となるデータ(データソース)を準備する必要があります。
その際に注意すべきこととして、
1.データソースの仕組み化
2.データのフォーマットを整える
の2つが挙げられます。
1.データソースの仕組み化
BIツールの導入を考える前に、データソースの用意が必要です。
使用するデータソースをBIツールで設定することで、データの見える化を行うことができます。
社内にある売上情報や営業情報などをまとめ、データベース化しデータソースとして利用します。
この際に、売上情報を入力すれば自動的にデータベースへ保存されるような仕組みができていると、リアルタイムでデータの更新が行われ、より精度の高いデータの見える化が実現できます。
精度の高いデータの見える化を行うには、事前にデータソースの入力・保存の仕組み化を行うことが重要です。
2.データのフォーマットを整える
データベース用のフォーマットにデータを整えます。
データベースでは、基本的に行の一番上が項目の見出しとして認識されます。そのため、下記の左のフォーマットの場合、金額や数量は項目として認識されず、2022年度という項目内の文字列として認識されてしまいます。
また、エクセルなどで月毎の項目を見出しに使っていた場合は、日付項目としてひとまとめにすることが必要です。
また、数値はBIツールの方で年度毎や月毎の集計を自動で行ってくれるため、なるべく詳細な数値を入れた方が後々の分析で要因を調べやすくなります。
無料BIツールの紹介
BIツールの導入にはそれなりの費用が必要です。また、社内にたまっている情報量によってはBIツールではなく、エクセルを使ったグラフ作成の機能で十分な場合もあります。
Googleマーケティング プラットフォームのサービスの一つである『Looker Studio』は、これまでに説明いたしましたBIツールの機能が使えます。
BIツールの導入を検討している方は、一度こちらをお試しいただくとイメージが湧きやすいかと思います。
「優れたビジネス意思決定のための、比類のない柔軟性を備えたセルフサービス ビジネス インテリジェンス(旧称データポータル)。」
引用:Looker Studio: ビジネス分析情報の可視化
まとめ
急速なIT化により情報があふれ、流行り廃りが目まぐるしく変わる時代になりました。
企業が生き残る上で、その時々の消費者のニーズを正確に汲み取らなければなりません。そのためには、これまでの売上傾向や営業情報を活用することが重要になってきます。
BIツールによるデータの見える化は、これからの経営戦略を考えるうえで有効な手段だと言えるでしょう。