大手企業の社長に学ぶ、キャリアプランの描き方 ー UD月例会レポート
先日、弊社(以下UD)の月例会に介護事業を手掛ける株式会社あいらいふの藤田社長をお招きし、「キャリアプラン」をテーマに特別講話が実施されました。今回は、その内容をレポートとしてお届けします!
なぜ今、キャリアプランなのか
UDでは、お客様先でのデジタル変革支援を主軸に、さまざまな業界・業種のコーポレート部門をサポートしています。飲食店の会計システム構築や採用支援、情報システム部門の運営、BIツールを活用した経営の見える化。あるいは医療機関のヘルプデスク対応やセキュリティ環境の整備、製造業の採用業務支援など、その内容は実に多岐にわたります。
このビジネスモデルは、いわば「新しい形のデジタル支援」です。一人ひとりが複数のクライアント企業を担当し、お客様先に半常駐しながら、それぞれの企業が抱える課題に向き合っています。だからこそ、社員一人ひとりが得られる経験の幅は広く、成長機会も豊富です。
その一方で、同社は若手層が中心の組織。新しいビジネスモデルゆえに、「この先、どんなキャリアを描けるのか」という明確なロールモデルが、まだ十分に確立されていないという課題があります。
そこで今回、経営の最前線で活躍されている藤田社長をお招きし、社員たちに「経営視点」や「キャリアの捉え方」、そして「仕事や人生との向き合い方」について語っていただきました。藤田社長ご自身が歩んできた道のりは、決して平坦ではありません。だからこそ、その経験から得られる学びは、社員のキャリアを考える上で大きなヒントになるのではないか。そんな思いで、今回の企画が実現しました。
藤田社長が歩んできた道

藤田社長は、かつて経営コンサルタントとして働いていました。その頃の働き方は、1日16時間という過酷なもの。しかし、藤田社長はその環境を「辛い」とは捉えていませんでした。むしろ、仲間とともに目標を達成していくプロセスに、大きなやりがいを感じていたといいます。
そして、そのキャリアの中で一つの夢が生まれました。「買収した会社で、自分が社長をやりたい」。その目標を実現するために、藤田社長はある会社の社長からの引き抜きに応じ、M&Aの世界へと飛び込みます。そして現在、実際に買収した企業の代表として経営の舵取りをされています。
「社長」という存在は、どこか遠い世界の人に思えるかもしれませんが、藤田社長の話には、一つひとつの選択に明確な意志があり、そしてその選択を実現するための行動がありました。キャリアは「与えられるもの」ではなく、「自分でつくっていくもの」なのだと、改めて気づかされた瞬間でした。
「自分の時間」とは何か

講話の中で、特に印象的だったのが「自分の時間」についての考え方です。
多くの人は、仕事を終えて家に帰り、好きなことをする時間を「自分の時間」と考えているのではないでしょうか。しかし藤田社長は、その概念を根本から問い直します。
「自分の時間とは、24時間365日が自分の時間。本当に大切なのは、全ての時間を自分の時間として捉えられるかどうかです」
つまり、仕事をしている時間も含めて、全てが「自分の人生の時間」であると。この考え方ができれば、仕事は単なる義務ではなく、自分自身を成長させるための貴重な機会になります。家に帰ってから過ごす数時間だけが「自分の時間」なのではなく、働いている時間も含めた全てが、自分の人生を形づくる時間なのだという視点。
この言葉には、社員たちも目から鱗の様子でした。日々、お客様先でさまざまな課題に向き合っている社員たちですが、その一つひとつが、実は自分自身のキャリアを築くための貴重な経験と実感したのではないでしょうか。
若いうちの成長が、その後の人生を変える

もう一つ、藤田社長が示してくれたのが正しい「ワークライフバランス」の話です。
ワークライフバランスとは、今日や1ヶ月、1年を切り取って考えるのではなく、人生全体でワークライフバランスを考える。
その視点で考えると、20代の努力や成長がその後の人生に大きく影響することを、成長パターンで教えてくださいました。
藤田社長は、4つの成長パターンを例に挙げました。
・Aさんは毎年、今の自分を1%だけ超える努力を継続
・Bさんは10年間、今の自分を5%超える努力をし、そこからはAさんと同じ。
・Cさんは10年間、今の自分を10%超える努力をし、そこからはAさんと同じ。
・Dさんは毎年、今の自分より1%だけ楽をし続ける。
一見、この差は小さく見えるかもしれません。しかし、複利の効果で、数年後、数十年後には、その差は圧倒的なものになります。特に若いうちに高い成長率を維持できれば、30代、40代になったときに、少しの努力で大きな成果を生み出せるようになる。逆に言えば、今のままで変わらなければ、経済が右肩上がりに成長していく中で、相対的に自分の価値は下がっていくことになります。
若手社員にとっては、まさに「今」聞くべきメッセージだったかもしれません。目の前の仕事に全力で取り組むこと。新しいことに挑戦し続けること。それが、将来の自分への最大の投資になる。藤田社長の言葉は、そんな当たり前だけど忘れがちな真実を、力強く思い出させてくれました。
キャリアは、自分でデザインするもの
今回の講話を通して、社員たちが得たものは「答え」ではなく、「問い」だったのではないかと感じます。
「自分は、どんなキャリアを歩みたいのか」 「何にやりがいを感じ、何を大切にしたいのか」 「今、自分がすべきことは何なのか」
藤田社長のお話は、正解を押し付けるような要素は一切なく、むしろ、一人ひとりが自分自身の人生やキャリアについて、深く考えるきっかけを与えてくれました。
UDには、まだまだ明確なキャリアラダーがあるわけではありません。しかし、それは裏を返せば、「自分で道をつくっていける」ということでもあります。多様な業界・業種のお客様と関わり、さまざまな課題解決に挑戦できる環境。そして今回のように、一流の経営者から直接学べる機会。
同社では、こうした取り組みを通じて、社員一人ひとりが「強い人材」として成長できる環境をつくり続けています。決められたレールの上を歩くのではなく、自分で考え、選択し、行動する。そんな力を持った人材を育てていきたい。それUDの想いです。
おわりに
今回の月例会は、単なる勉強会ではなく、社員たち一人ひとりが自分の未来について考える、貴重な時間となりました。
UDでは、これからもこうした社員の成長を支援する取り組みを続けていきます。新しいビジネスモデルに挑戦し、自分自身のキャリアを自分の手でつくっていきたい。そんな想いを持った方にとって、魅力的な環境を作っていきたいと思います。