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IT初心者でもわかる!「サーバ」って何?わかりやすく解説

今回の記事を担当させていただきます、モチノキと申します。

ITやシステムに関わる仕事では、しばしば聞き慣れないカタカナ用語が飛び交います。

中には、それらの言葉の意味を正しく知らずに使ってしまっている方も多いのではないでしょうか。

そんな言葉のひとつが、「サーバ」です。

 

「〇〇のシステムのサーバが落ちた」「このファイルをサーバにアップロードして……」といった会話を聞きながら、サーバとは何なのか、今ひとつわからないまま話を進めてしまっていないでしょうか。

この記事では、よく聞くけれど正しい意味は知らない……という方が多い単語、「サーバ」について、IT初心者の方でも理解しやすいよう、わかりやすく解説します。

 

具体例として、身近なサーバの仕組みについても簡単に紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

仕事の中の小さな「わからない」をひとつずつ解消していきましょう!

 

余談

「サーバー」と呼ばれることもありますが、この記事ではサーバと表記します。

IT用語では末尾の長音を省略することがしばしばあります。

文字数を削減する必要があった頃の名残なのだとか……。

サーバって何?

前提として、サーバとはコンピュータの一種です。

コンピュータと言われると、仕事で使うWindowsやMacのパソコンをイメージされるかもしれませんが、パソコン(=パーソナルコンピュータ、個人使用用途のコンピュータ)だけでなく、プリンタやスマートフォンも全てコンピュータです。

 

その中で、

 ①何らかのデータを受け取り、

 ②受け取ったデータをもとに何らかの処理をし、

 ③処理を行った結果を返す

 

という役割を持ったコンピュータ全般のことをサーバと呼びます。

ざっくりとした説明ではありますが、一般的な業務の上ではこの理解でまず問題ないでしょう。

 

 

上記の役割さえ持っていれば、WindowsやMacのパソコンも、スマートフォンもタブレットも、どれもサーバと呼ぶことができます。(性能上、そのような使い方は現実的ではありませんが……。)

 

サーバの語源は「server=提供する人」。

 

受け取ったデータをもとに、それぞれが受け持った処理を行い、結果をデータとして提供する。そんな仕事に専念しているのが、サーバと呼ばれるコンピュータです。

つまり、サーバとは特定の機種を表すのではなく、コンピュータが持つ役割を表す単語と言えます。

 

余談

サーバにデータを渡すコンピュータのことを「クライアント」と呼びます。

後述のWebサーバやデータベースサーバ、メールサーバの場合、クライアントは

私たち利用者のコンピュータです。

 

よく使われるサーバの種類

それでは、いくつか具体的なサーバの例を挙げてみます。

 

Webサーバ

「Webサーバ」はWebページを表示する役割を持ったサーバです。

XServer、さくらレンタルサーバなどのレンタルサーバサービスが、Webサーバとしてよく利用されています。

 

Webサーバでは、

 ①閲覧者がアクセスしたURLや画面操作の情報を受け取り、

 ②表示するべきWebページのデータを用意し、

 ③閲覧者のもとに返す

という処理を行っています。

 

複雑なWebページでは、②の段階でもっと多くの処理を行います。

例えばGoogle検索では、数あるWebページの中からキーワードに関連するページを検索する処理を行う、などです。

その場合、Webサーバからデータ処理専用のサーバの処理を呼び出す、といった処理を行うこともあります。

 

データベースサーバ

データベースサーバとは、大量のデータを保持し、必要に応じて検索したり、データを更新したりする役目を持つサーバです。

 

一般的なデータベースサーバでは、

 ①どのようなデータを検索するか・更新するかを表した命令文(クエリと呼ばれます)を受け取り、

 ②その命令文をもとにデータを検索・更新し、

 ③検索結果や更新した後のデータを返す

という処理を行っています。

 

データベースサーバは言わばデータ管理のスペシャリストであり、データ管理をデータベースサーバに任せることで、他のコンピュータはそれぞれの役割に専念できるわけです。

 

メールサーバ

「メールサーバ」とは、文字通りメールの送受信に関わるサーバです。

メールサーバの仕組みは少し複雑です。

まず、A社の太郎さんがB社の次郎さんにメールを送ることを想定してみます。

 

ビジネスで使うメールサーバは、多くの場合組織ごとに存在し、各々のメールアドレスがそれらのメールサーバに所属しています。(※)

この場合、A社のメールサーバとB社のメールサーバは、A社とB社それぞれの管轄内に独立して存在し、A社メールサーバには太郎さんの、B社メールサーバには次郎さんのメールアドレスが所属しているわけです。

※企業独自のドメインを使用したメールアドレス(xxx@updx.co.jpのような……)の場合。
 Gメール、Yahooメールなどのフリーメールの場合は、メールサーバはGoogleやYahooの管轄になります。

 

太郎さんが次郎さんへメールを送信するとき、太郎さんのパソコンとA社のメールサーバの間では以下のような処理が行われています。

 ①メールの宛先・内容の情報を受け取り、

 ②A社のメールサーバから、次郎さんのアドレスが所属するメールサーバ(この場合はB社のメールサーバ)のメールボックスにメールを転送し、

 ③メールが問題なく送信できたことを太郎さんのパソコンに通知する

 

一方、次郎さんがメールを受信するときは、次郎さんのパソコンとB社のメールサーバの間で以下のような処理が行われます。

 ①「メールを受信したい」という要求を受け取り、

 ②次郎さん宛のメールをメールボックスから検索し、

 ③検索結果のメールを次郎さんのパソコンに返す

 

このように、複数のメールサーバ同士が連携することで、メールの送受信が滞りなく行われているのです。

まとめ

改めて、サーバとは

 ①何らかのデータを受け取り、

 ②受け取ったデータをもとに何らかの処理をし、

 ③処理を行った結果を返す

という役割を持つコンピュータ全般のことをいいます。

 

これさえ理解していれば、システム担当者の方が「システムのサーバが落ちた!」と慌てていたとしても、あなたは「ああ、システムにデータを渡して、データを処理した結果を受け取ることができないんだな」と想像することができるはずです。

 

今回の記事では、身近なサーバの具体例として

 ・WEBサーバ
 ・データベースサーバ
 ・メールサーバ

の3つを紹介しました。

 

これらの例のように、サーバは何らかの処理に専念する役割を持っていることが多いです。

サーバがダウンしてしまうと、その処理に関連する業務が一切停まってしまうことも起こり得ます。

重要な役割を持つサーバは、データのバックアップや冗長化(予備の機器を用意すること)を行うなど、障害対策を十分に施しましょう。

 

この記事を通して、サーバとは何なのか、理解を深めていただけたなら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

モチノキ